戦国中山王圓鼎を習う(34)「賃(任)臣宗之」

「賃」(任):「任」(じん)の仮借字。「賃」の「ちん」は慣用音。「任」の甲骨文は人が鍛冶の工具らしきものを背負う形で、あたる、たえる、よくする、になう、もつ、いだく、おう、のせる、にもつ、はこぶもの、つとめ、しごと、任務、責任、まかす、まかされる、任侠、侠気、ほしいまま、あるいは妊と通じて、はらむ等、たくさんの意を持ちます。ここでは「任務」の意と思われます。「貝」の両脚は「壬」の縦画の位置を中心に、開きすぎないように立てて書きます。怱卒な通用体で刻された円壺には人偏と貝の両脚を略した形が使われています。

「臣」:3回目となります。第1画は右遙か上から左下3分の1あたりを目指してやや直線的に書きます。拙臨は丸め過ぎました。

「宗」:2回目です。祭卓の2脚を略した字形は、甲骨文、金文からみられるものです。シンメトリックかつ分間を等しくして書きます。

「之」:5回目です。天上から斬るように降ろし、曲部から筆を釣り上げながら収めていく動きは何度書いても難しいと感じます。

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