戦国中山王方壺を習う(48)

(絶)邵(召)公之」  召公の(業を)絶ち

」(絶):「」(ゼツ)はこのように糸束を刀によって断絶する形です。染糸が弱って切れる様を表すと「絶」となります。「」にはすでに「刀」が入っていますが、この反文と「斤」(おの)によって構成される字は「斷」となります。

「邵」(召):声符の「召」は祝禱によって天より人の姿をした霊が降下する形。邑(阝)に従う場合は主に地名に関する場合ですが、ここでは周建国の際の功臣で燕の地に封ぜられた召公奭(ショウコウセキ)のことです。戦国の燕が周初の燕と血脈が繋がっていたことを示す記述です。

「公」:宮廷の儀式が行われる壁に囲まれた場所を示す形。「ム」の部分は四角形で区域を示す形の他、甲骨文に祝禱を納める器の形「」もあります。中山篆の形は小篆よりも原初の形に近いものです。

「之」:3回目です。

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