戦国中山王方壺を習う(39)

「夜匪解進」 (夙)夜 解(おこた)らず。(賢を)進め

「夜」:人の両脇を示した「亦」の片方を「夕」(月)に替えた形。「夕」(月)と夕方の日が傾くことで長く横たわる人の影の形「大」ともとれます。西周金文では「夕」が右側に配するのが一般的ですが、中山篆では逆にし、右側は渦紋に変えています。

「篚」(匪):篚(ヒ)は匪と同様に竹製のはこ。共に「非」と通用します。中山器では唯一の字例です。

[解」:角と刀と牛とから構成される字で、牛を刀で解体する様です。「角」をこのような字形にしたものは円鼎・円壺に出てくる「數」とされる字に認めることができます。その字は両手を示す「」(キョク)と牙形の「与」と「言」とからなるものですが、牙を角に変換したものと思われます。

[進」:「隹」(スイ)は鳥の象。進退を鳥占いによって決める様とされています。これも中山器で唯一の字例です。