戦国中山王圓鼎を習う(39)「若否(侖)論其」

「若」(諾):ここでは「諾否」の「諾」として用いています。字通には「巫女が両手をあげて舞い、神託を受けようとしてエクスタシーの状態にあることを示す。艸ははふりかざしている両手の形。口は祝祷を収める器(さい)」とありますが、甲骨文や金文にはこの器(さい)の無い形が多く見られます。この中山国篆書の上部は振り乱した髪と振り上げた両手の部分が原初の姿から変化したもので、腕を改めて書き足しています。なお、右の2画は装飾的増画です。

「否」:「不」と祝詞を入れる器(さい)からなります。「不」は普通、肥点を入れませんが、この場合は入れています。

「侖」(論):木簡をまとめ編んだ形。「まとめる・まるい」などの意を持ちますが、ここでは「論」の仮借字です。

「其」:3度目となります。上部よりも下部の幅をやや押さえて書きます。

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