戦国中山王方壺を習う(90)

「之聖王敄(務)   (夫れ古の)聖王は務ること

「之」:12回目です。

「聖」:「耳」と祝禱の器「」と地に挺立する形「」(テイ)からなる字です。中山諸器では唯一の字例です。祝禱に対し、神から啓示の声を聞き分ける者を「聖」といいます。

「王」:5回目です。

「敄」(務):矛を携えて赴く様とされる「敄」(ボウ)が声符です。「務」はその努める様です。ただ、「敄」の字形を見ると「矛」の部分は鎧のように身につけているようにもとれます。[金文編]で「矛」を含む字(敄・遹・茅)を列べて比較するとその形状に複数の型があり、中山篆はその中でも異色の存在であることがわかります。

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