戦国中山王方壺を習う(65)

「竝立(於)(世)   並びて世に立ち

 

「竝」:「並」はこの方壺と円壺に1字ずつ出てきます。正面を向いて立つ人「立」が相並ぶ形です。相並ぶ二人が正面形でなく側身形の場合は、左向きが「从」(從)、右向きが「比」で、「幷」(ヘイ)は「从」の躯を繋げた形で円壺に登場します。

「立」:2回目です。世に並立する(並び立つ)という表現について、小南一郎氏の説明を借りれば、「中国東周時代の前半にあたる春秋時代の歴史を記した、編年体の歴史書『春秋』の注釈書『春秋公羊伝』(シュンジュウクヨウデン)の荘公4年に、齊国と紀国との報復事件を述べて「齊紀無説焉、不可以並立乎天下」とあるのに似る。成り上がりの子之が燕君となり、由緒ある中山王と同じく国君として肩を並べるのは嫌だというのである」となります。

」(於):5回目です。

」(世):「世」は草木が芽吹く形。生の勢いを表す字です。一方、「歹」(ガツ)は骨になった屍体の形。これら相反するものを並べて、人の生死という短い時間を超えて永存するもの(永世)を指すものと思われます。この字は、中山三器それぞれ一度ずつ出てきます。