戦国中山王方壺を習う(68)

「忍見施(也)(貯)   見るに忍び(ざる)なり。貯、

「忍」:声符は「刄」(ジン)で、「たえる・しのぶ・ゆるす」などの意を持ち、中山諸器では唯一の字例です。

「見」:行為の主となる部位を強調してその意を表す漢字造字法です。見るといういう行為の主となす目を大きく書くにあたって、中山篆では「目」をこのように書きます。これも中山諸器で唯一の字例です。

「施」(也):3回目です。

」(貯):5回目です。「貝」の上にあるのは「用」ではありません。中山篆では「用」とは無縁の「帝」の字形などにあたかも「用」のように右上に横画を増やす特徴があります。そもそも中山篆ではこの方壺に3度登場する「用」には肥点を入れていません。肥点が入るのは、物を収蔵する器を表す「宁」の字形にみられる特徴で周代青銅器に多見できます。詳しくはホームページの『中山篆書法篆刻学術報告交流会』をご参照下さい。