戦国中山王方壺を習う(87)

「其老(策)賞   其の老を(して仲父を)策賞(せしめ、)

「其」:7回目です。

「老」:長髪の人の側身形である「耂」(おいがしら)と屍体である「」(カ)からなる字です。本来は首から脚にかけて連続する線が、中山篆では分割された形になっています。

」(策):「」(セキ)は「木をさく・ときほぐす」などの意をもつ「析」に同じ。声が近い「」を「策」として音通させています。「策」は策命つまり詔書として命ずることです。

「賞」:声符は「尚」と「商」の2系があって、西周金文では「商」に従うものが主です。この「賞」は「貝」の脚部が省略されていますが、「貯」も円壺では同様に略しています。もともと「貝」の古い字形に2脚はなく、この脚をつけると「鼎」の形に酷似してしまうのです。「則」の偏は正しくは「貝」ではなく「鼎」であることもその一例です。このあたりの事情を理解すると脚を省いた「貝」が「目」と捉えられることはないでしょう。

コメントを残す