戦国中山王方壺を習う(51)

「外之則(将)」   之を外にしては則ち将に

「外」:「夕」は「月」。「卜」は骨占いの際に入るひびの形で占う意。古代、占いは通常は早朝に行うものであって、夕方に卜する(占う)ことは常道から外れていることをいう。ただ、「夕」は肉であって肉を削る意とする解釈もあります。

「之」:5回目です。

「則」:正字は「」です。鼎に銘を刻むことを表す字で、鼎銘は末永く規範とすることを記したものであることから法則の意を持ちます。この「則」字は中山器ではこの方壺に6例あり、そのうち一つだけは「刃」に従っています。「刀」と「刃」あるいは「刅」(ソウ 創)を互用することは中山国をはじめ春秋以降の金文においてままあることです。

」(将):この字は「醤」の異体字で、「将」に通じています。「将」の字について、《字通》には「旧字は將に作り、爿(ショウ)+肉+寸。爿は足のある几(き)(机)の形で、その上に肉をおいて奨(すす)め、神に供える。軍事には、将軍が軍祭の胙肉(そにく)を奉じて行動した。その胙肉を(シ)といい、師の初文。帥(そつ)もその形に従う。これを以ていえば、將とはその胙肉を携えて、軍を率いる人である。」とあります。「醤」はそれに加えて酒を供える形です。

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