戦国中山王方壺を習う(93)

(辭)(禮)敬則   (故に) 辞礼 敬しければ則ち

」(辭):この字形は「言」と「ム」と声符「辛」(シン)からなり、音通によって「辭」に充てています。「辭」は絡まった糸を上下から手を加えて解きほぐそうとしている様の「」(ラン)とそのために用いる針「辛」とからなっていて、訴訟のときの嫌疑を解きほぐすための辞を表しています。つまり、同じく本来「おさめる」意である「亂」の糸を解きほぐすためのへら状の道具が針に替わったものとなります。「辭」の字は中山諸器では方壺に1例のほか、円鼎に「詒」(イ・タイ)の形による1例があります。「辭」と「詒」との関係については、「言」は敗訴の際の辛刑に使う「辛」と祝禱や誓約の辞を収める器「」(サイ)とからなるものであることから通じていたものと思われます。

」(禮):2回目です。

「敬」:2回目です。

「則」:4回目です。