戦国中山王圓鼎を習う(20)「者吾先考」

「者」:2度目の登場です。上部V字形に接する点は下中央の縦画の位置に近づけるとバランスが良くなります。

「吾」:「虍」と「魚」からなる字です。音が「ご・ぎょ」で「吾」の音に通じます。「魚」の脇をぎゅと締めたスリムな体型にします。魚の中央に肥点が入ります。「戦国中山三器銘文図像」はその肥点を忘れているようです。

「先」:之(し)と人からなる字。之は趾(あしあと)の形。これをあえて人の上にしるし強調して、先に行くことを表します。「止」の横画の起筆は湾曲する左の画より左に長くしないようにします。

「考」:声符は曲刀である「丂」(こう)。上部は頭髪の長く伸びた様。その下は人の体で、右の長い画が胴体と脚にあたるものであるから、本来、続けて書くべきものです。ちなみに、この「考」字の「丂」には肥点が入っていませんが、中山三器には他に3例の「考」があり、そのいずれにも肥点が入っています。肥点の有無は表現上の揺らぎなのか、あるいは単に忘れただけなのでしょうか。

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