戦国中山王方壺を習う(28)

「輔相(厥)身」 厥の身を輔相せしめたり

「輔」:車輪の補強をする部品であることから「たすける」意を持ちます。声符の「甫」(ホ)は苗木の根の部分を包む形です。

「相」:樹木を呪的な目的で観視する様。「みる・たすける・かたち」などの意を持ちます。「目」の下の横画については、春秋期の〈庚壺〉や戦国期の〈趙武襄君鈹〉にあたかも重文の記号のように横画を2本にする字例があり、その流れを受けた省形と思われます。

」(厥):把手が大きな曲刀の形です。この字形を「氒」(ケツ)に隷定することが多いのですが、古い字形とは似ていないようです。文献には同音の「厥」字を指示代名詞の「その」として充てています。

「身」:身ごもっている女性の側身形です。この反形と撃つ様「殳」からなるのが「殷」です。