「小子(少)」:「小」と「子」の合文。金文に良く出てくる慣用語で、謙遜の意で用いたり第3者の立場からは侮蔑の意で用いることもあり得ます。李学勤はこれを「少」(幼少の意)と解釈しました。「少」は「小」と同様に貝や玉粒を綴る形といわれています。「小」との違いは「少」の金文に粒を綴っているような線が加わっていることです。この「小子」は燕の即位間もない昭王を指しているのですが、果たして幼少であったかどうかは疑わしく、「小子」そのままに侮蔑を込めた表現との説があります。左右の渦巻きを書くのはとても難しいものです。何度かふれましたが、回転を伴う画は筆を立て微妙に上下を繰り返しながら運筆することが肝要です。
「君」:2度目の登場です。筆順はまず平仮名の「こ」のように書き、中央の横画、左右の脚という順で書きました。内部の器(さい)は少々太ってしまいました。
「虖」:これも2度目となります。「虖」は「乎」に通じる繁文です。字通を引用すれば、「声符は乎(こ)。乎は遊舌のある鳴子板で、神事のときこれを鳴らして神をよんだ。虖は虎頭の形に従い、神事の際の意を示したものであろう。金文に「烏虖(ああ)」のように感動詞に用いる。」とあります。字形は、右上から左下へ大きく展開する流れをふまえつつ、その他の画を中央にコンパクトに集めます。
「昔」:これもまた2度目ですが、すでに2回目の「王□(さく)」にも含まれていました。縦には3つの部分から構成されることを意識して書くと良いと思います。