戦国中山王圓鼎を習う(15)「惑於子之」

「惑」:或(わく)が声符。或には限定、例外の意があり、疑い惑う意があります。説文には「亂るるなり」とあって、惑乱することをいう字です。字形は頭部を下げ上部に広く空間をとって右上に伸びるベクトルを強調し、心の終画との協調によって大きな弧を演出します。

「於」:頻出する字で円鼎では5回目です。頭部をコンパクトに小顔にしています。

「子」:右に突き出す腰の位置に注意します。方向を変えるのでいわゆる転折の用筆と同様に少し筆を上げて転向させれば側筆を免れます。

「之」:横画の始筆と左の縦画の位置関係と中央の接点の位置に注意します。