「道在邇」・「道在邇而求諸遠」（『孟子』離婁章句）二印を紹介させていただきます。

「道在邇」・「道在邇而求諸遠」（『孟子』離婁章句）二印を紹介させていただきます。

人がとるべき道は、決して遠くにではなくすぐ近くにあるもの。しかし、往々にしてそのことに気づかずこれを遠くに求めてしまいがちです。

道在邇而求諸遠。　道みちは邇ちかきに在あり、而しかるにこれを遠とおきに求もとむ。
事在易而求諸難。　事ことは易やすきに在あり、而しかるに諸これを難かたきに求もとむ。
人人親其親、　　　　人人にんにん其その親おやを親おやとし、
長其長而天下平。　其その長ちょうを長ちょうとせば、而しかるに天下平てんかたいらかなり。

なお「邇」は「爾」とも表記するが共に通ずる字である。白川静著『字統』には「邇」の用例について次のように説明している。（部分）