「道在邇」・「道在邇而求諸遠」(『孟子』離婁章句)二印を紹介させていただきます。

「道在邇」・「道在邇而求諸遠」(『孟子』離婁章句)二印を紹介させていただきます。

人がとるべき道は、決して遠くにではなくすぐ近くにあるもの。しかし、往々にしてそのことに気づかずこれを遠くに求めてしまいがちです。

道在邇而求諸遠。 みちちかきにり、しかるにこれをとおきにもとむ。
事在易而求諸難。 ことやすきにり、しかるにこれかたきにもとむ。
人人親其親、    人人にんにんおやおやとし、
長其長而天下平。 ちょうちょうとせば、しかるに天下平てんかたいらかなり。

「道在邇」
小篆  54㎜×54㎜
「道在邇而求諸遠」
中山篆 40㎜×40㎜

なお「邇」は「爾」とも表記するが共に通ずる字である。白川静著『字統』には「邇」の用例について次のように説明している。(部分)