拙作「聽雪」 自作の詩とともに 

書の作品で詩をモチーフにするとき、日本の詩でも漢詩でも、通常名の知れた詩人のものを選ぶことがほとんどと言ってよいと思います。おそらくそれは日本、中国、台湾いずれの国においても同様でしょう。ただそこには著作権という問題があって物故、存命にかかわりなく詩作者への配慮を必要とするばかりでなく、厳密に言えば、詩懐の解釈と作者の意識との間に生じる齟齬という問題も生じます。

「自作の詩を自運の書によって表現する」

それが理想とわかっておきながら、つい「唐詩選」の頁をめくる自分がいます。

今回は、自作の拙い詩「聴雪」と小篆による小品です。自詠の詩を作品中にいれることは己の非力を悟って断念しました。詩を墨書すると、なんとしても「俗」という桎梏から抜け出せないのです。

「聴雪」
拙詩「聴雪」

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