「學而時習之不亦説乎」(論語 学而篇)

論語学而篇にある「學而時習之不亦説乎」(学びて時に之を習ふ。亦説ばしからずや)を小篆で刻したものです。

「學」にはバランスを考慮し、「學」の初形である「爻+子」(コウ)を採りました。「爻+子」は、白川静著《字通》によれば、「〔説文〕十四下に「放(なら)ふなり」、〔玉篇〕に「效(なら)ふなり」とするが、學(学)の初文とみてよく、卜文にその字がみえる。效には矢に攴を加える形のものがあり、それは矢の曲直をただすもので、別系の字である。」とあり、説文の誤りを指摘しています。なお、「學」の別字に「斅」を含めることがありますが、「爻+子」が「學」の初形であることを前提に考えると「敎」との関係において疑問を抱かざるを得ません。管見ゆえの過咎を懼れずにいえば、「學」は「まなぶ」であり、鞭の類である「攴(ぼく)」を加えた「斅」は本来「おしえる」意ではないのかと。ふと感じるのは、乱れた糸をヘラで「おさめる」意である「亂」を「みだれる」と誤用した例と似た匂いですね。

「學而時習之不亦説乎」     31㎜×31㎜

 

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