「神気」をテーマにした篆刻2点 ①「觀神」と②「觀神察氣」です。

私が、常日頃印文を選ぶ際に参考にするものの例として、白川静先生著の『字統』と『字通』があります。特に『字通』にはPC版があってとても重宝します。

今回ご紹介するのは、「神気」をテーマにしたもの篆刻2点です。

「神気」については、『字通』には〔礼記、孔子間居〕の一文を引用して、「地は神氣を載す。神氣は風霆(ふうてい)なり。風霆形を流(し)き、庶物露生す。教へに非ざる無きなり。清明躬(み)に在れば、氣志神の如し。」とあります。風霆とは風と雷です。「神」の字形が稲妻の象(申の部分)であることは良く知られるところですが、古代人が轟音と閃光を伴った稲妻を目にしたときの衝撃は如何ばかりであったか、瞬間、人知を超えた神の存在を確信したに違いありません。

また、昨年の12月20日に「仰観宇宙之大 俯察品類之類」を投稿した際にはこれが易経繋辞上伝にある一文を引用敷衍していることにふれましたが、これもふまえて印文「観神」と「観神察気」の二つを設定しました。

①「観神」

觀神
(金文) 54㎜×54㎜

②「観神察気」

觀神察氣
40㎜×40㎜