漢字学の泰斗、白川静先生のために刻した印を紹介します。
もう随分前になります。白川静先生が文字文化研究所(初代理事長は中田勇次郎、現在は改編し日本文字文化機構と改称)の理事長であった時分、常任理事の宇佐美公有さんは漢字普及委員会を立ち上げ、子供たちに漢字の魅力と正しい理解を普及させるための教材作りに取りかかりました。その際、小生が宇佐美さんからその委員会の副委員長にとのご推挙をいただいたのは恐縮の至りでした。
この印はその頃、宇佐美さんが仲介に入り、白川静先生のための印を刻すようにとの命を賜り制作したものです。恐れ多いご拝命に終始緊張した仕事でしたが、奇をてらうことなく、品格を出せればと念じたことを思い出します。