現代美術作家の雅印2 「裕」

昨日に続き現代美術作家の雅印をご紹介します。今回は私の友人でもある先生からのご依頼によるもので、「裕」一字印、書体は金文、大きさは25㎜角です。

「谷」の字形には二系あり、一つは谿谷の谷(こく)。谷の入口を表し、左右から迫る様を表す部分と谷口が低く∨字形に狭まった様を表す部分からなります。もう一つは、この「裕」に含む「谷」(よう)。先人の霊が彷彿としてその形容をあらわす様で、神気の現れる様を表す部分と白川漢字学の核心ともいえる祝詞を収める器「さい」から構成されています。「裕」とは衣裳に神気が纏う様を表している字です。

今回のデザインでこだわった点は、シンメトリックに近い字形に変化と躍動感を加えること、そして固定観念に囚われない辺縁(周囲の枠)の文字との一体化です。

雅印「裕」
25㎜×25㎜

 

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