戦国中山王方壺を習う(22)

[所放慈孝」  放(なら)う所、慈孝

「所」:2回目となります。「斤」を除いた部分は左扉の形です。

「放」:方は逆さに架けられた屍でこれを打って邪霊を放逐して祓う様です。「放」には「はなつ・はなす・ほしいまま・おく」などの意がありますが、「倣」と通じ「ならう、まねする、のっとる、にかよう」の意も持ちます。ここでは「ならう」の意です。

「慈」:茲と心からなりますが、「茲」の初形は糸束である幺(ヨウ)を並べた(ジ)です。「茲」は上部にある糸たばの結びめを艸(ソウ)と誤まったものです。

「孝」:先の「考」と同様で、「老」に含まれる屍をあらわした「」(カ)を略したものに「子」を組み合わせた形です。「おやおもひ」の他、「父母や先祖をまつりつかえる・年輩者によくつかえる」意をもちます。右の「乙」形の画はもともとは左の部位と一体のものですから接するようにして書きました。