「弘麗温雅」(出典:『漢書』揚雄傳)

『漢書』揚雄伝上には、「是の時に先んじ、蜀に司馬相如有り。賦を作ること甚だ弘麗温雅なり。雄、心に之れを壯とし、賦を作る毎に、常に之れに擬して以て式と爲す。」とあります。

「弘麗温雅」の弘麗とは、「弘」が大いなる様ですから、すぐれて華麗であることをいいます。また、「弘」にはひろめる意もありますから、「麗」を周囲に伝播し影響を与える様とも解釈できます。そして温雅とは穏やかでうるわしいこと。『漢書』では、蜀の司馬相如が詠む賦の素晴らしさを評したくだりの句ですが、人物を評する表現としても良いと思います。

また、関連して『後漢書』周栄伝には、「臣伏して惟(おも)ふに、古者(いにしへ)帝王、號令する所有り、言は必ず弘雅、辭は必ず温麗、後世に垂れ、典經に列す。」と似た表現もあります。弘雅とは高雅のことです。

雅印を兼ねる成語印とのご依頼。姓名に「弘」字を含む依頼女史の印象から選んだ句です。

弘麗温雅
25㎜×25㎜

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