密教の世界観を視覚的な図象をもって表した「曼陀(荼)羅」。そこに漢字の宇宙観を準えた試行作品です。「曼陀羅」は日本の重要文化財などでは「曼荼羅」と表記されています。ただ、これはサンスクリット語 मण्डल(maṇḍala)の音を音訳表記しただけのものですから、「陀」でも良く、秦以前の古い字形の表現の素材を求めてこちらを採りました。
なお、サンスクリット語のमण्डल(maṇḍala)には「丸い」という意味があります。拙作は3円を楼閣構造に見立てたフォルムを採用し、さらには家蔵の饕餮文尊の器拓(原拓)とステンドグラスとのコラボレーションにも挑戦してみました。