春秋晩期「者■(三水+刀)鐘」を学ぶ  臨書および篆刻3顆 (2)

「者■(三水+刀)鐘」は13器の現存が確認されていますが、京都泉屋博古館が所蔵する2器のうちの一つは、陳介祺の十鐘山房蔵鐘の一つだそうです。なお、「者とう鐘」の銘文は全部で92字という難解な長文で、それらを器の大小入り混じる編鐘に分刻するのに例えば4器ほどを要しています。しかし、全てについてどれとどれをセットにしているかについては未だ解明には至らず、どうやら、編鐘の構成は13鐘にとどまらないかも知れません。しかも、字形の解釈に関しても未解明のものが幾つも存在します。そのあたり、「者とう鐘」の研究については「泉屋博古館紀要 第5巻」淺原達郎先生の論攷「者とう鐘」に詳しいので、興味がある方は是非問い合わせると良いと思います。

今回取り上げるのは、春秋晩期「者■(三水+刀)鐘」の銘文から選んだ3作品のうち2顆。「虔秉丕経徳」(つつしみて、ひけいのとくをとる)を2つに分けて刻したものです。

① 「虔」(ケン・つつしむ)

② 「秉丕経徳」(丕経の徳を秉る)※丕経は大いなる徳

「虔秉丕経(徳)」   京都泉屋博古館蔵 『楽器』(泉屋博古館発行)より転載
「虔」(つつしむ)
「秉丕経徳」(丕経の徳を秉る)※丕経は大いなる徳
虔(つつしむ)
虔(つつしむ)
25㎜×12㎜
秉丕経徳(丕経の徳を秉る)※丕経は大いなる徳
74㎜×50㎜

 

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