今回は「後赤壁賦」を臨書した部分です。
1082年の旧暦七月に「前赤壁賦」を詠んでから三か月後の作。季節は冬に入り、水流が減って、河岸の露わになった岩に荒々しい水流が轟く。この詩には前詩同様に明月と酒が、そして新たに、一斗もの秘蔵の酒を差し出す蘇軾の愛妻や夢に現れた道士まで登場させ、情景の展開に華やかさを加えている。しかし、実は蘇軾は下戸であったとも、また詩の舞台は赤壁とは異なる地であったとも聞いている。これもまた一興というべきか。蘇軾の詩情に趙孟頫の清澄な風韻が重なって、まるで美しい風景画を見るかのようである。