観星楼コレクション No.1 『夢庵蔵印』(初印原鈐本)

家蔵の書画文物について、気が向いた時になりますが少しずつご紹介していきたいと思います。1回目は中国古銅印蒐集として我が国の5大コレクションの一つと言われる太田夢庵(1881~1967)コレクション。家蔵はその中の一つ、太田夢庵がその最初の志として綴輯した『夢庵蔵印』です。

詳しくは、メニューの観星楼コレクションからご覧ください。

1帙8冊からなる

収蔵印「自適齋珍蔵記」は河井荃廬33歳の時の刻。 西川寧氏は「河井荃廬の篆刻」(二玄社)でこの印について触れている。

 

 折しも、岩手県立博物館においては、6月2日まで岩手県立博物館・岩手県文化振興事業団主催、岩手大学・盛岡大学共催によるトピック展「風雅好古ー太田夢庵の金石収蔵・研究と文人の世界ー」が開催されています。これは太田夢庵(本名:孝太郎)の没後50年にあたる2017年、岩手県立図書館に於いて企画展「没後五十年 郷土史家、太田孝太郎展」に続くものですが、今回はこの展覧会開催を記念して岩手大学と復旦大学の共同で中国古印研究をテーマとする「中国古印研究国際シンポジウム 2019 in 岩手」が4月21日と22日の2日間にわたって併催されました。

「風雅好古-太田夢庵の金石収蔵・研究と文人の世界-」展図録表紙
同裏表紙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンポジウムで発表された研究者の方々と演題は以下の通りです。

 基調講演1  玉澤友基氏(岩手大学) 年譜に見る太田夢庵の収集と研究
 基調講演2  劉釗氏(復旦大学) 秦代の「交仁」等の印から見た秦文字の用字習慣について
 施謝捷氏(復旦大学) 新見古璽印に現れるいくつかの複姓について
  廣瀬薫雄氏(復旦大学)   敦煌一棵樹烽燧遺跡出土西晉簡牘の「塞曹印信」について
 石川日出志氏(明治大学) 漢魏晋代駝鈕印の再加工
 松村一徳氏(シルクロード研究所所長) 『夢庵蔵陶』-太田夢庵の陶文研究-
 矢野千載(盛岡大学) 江陵鳳凰山第70号墓出土玉印「泠賢」二顆の文字について
 和中簡堂氏(全日本篆刻連盟理事長) 戦国文字について
 佐々木佑記氏(書道博物館) 近代日本における印学の受容-中国美術蒐集の視点から-
 原田祐参氏(岩手県立博物館) 歴史資料にみる太田孝太郎の足跡
 佐藤貴保氏(盛岡大学)
岩手県立博物館蔵西夏文印章について
 劉海宇氏(岩手大学)
『楓園集古印譜』にみえる古璽の調査と研究