特別講座「栃木県ゆかりの書人」を開催しました。

3月14日(日)、特別講座「栃木県ゆかりの書人」を開催しました。

今回取り上げたのは、豊道春海小山霞外、そして亀田鵬齋。豊道春海は大田原、小山霞外は喜連川の出身。亀田鵬齋は江戸神田の出ではありますが、私の居住地である下野市本吉田の今は廃寺となった黄梅寺(おうばいじ)跡地に残る「黄梅寺第四世光雲和尚壽藏碑」(1817年)の書者として名が刻まれています。なお、これら3人の書は私の家蔵コレクションの一部ともなっております。

 

豊道春海に関しては、今年の7月17日(土)から10月7日(木)まで、栃木県立美術館にて「没後50年 豊道春海の書」と銘打ったコレクション展が開催されます。没後12年後、1982年の「豊道春海展」からおよそ40年ぶりの企画となります。今回の講座は、郷土の書人としてまた我が国の書道教育および書道芸術の発展に寄与した絶大な功績に光をあて、本展開催に先立ち、鑑賞手引きの一助とするものですが、コロナ禍による準備不足とあらたな資料の開拓作業もあり、後日改めて書道愛好者を含め、県民一般を対象とした学習会を開催したいと考えています。なお、資料の作成にあたっては、栃木県立美術館発行「豊道春海」図録から転載させていただいたもの多数。「黄梅寺第四世光雲和尚壽藏碑」採拓に際しては、現在の管理者および下野市の文化課、「石井翁壽藏碑記」採拓に際しては、御子孫および種徳院の承諾を得ておこなっております。

石井翁壽藏碑記拓(佐野市種徳院石井家墓所)
王羲之・褚遂良の系譜を髣髴とする格調高い書。行尾は礎石に埋没しかかっているいること、採拓の技術の低さから不十分な出来となった。

3月14日の内容についてはこのパワーポイント資料を参照して下さい。

特別講座「栃木県ゆかりの書人 ー豊道春海を中心として―」

生誕110年記念 白川静『文字講話』に学ぶ 第3回 「金文について 2」を開催しました。

生誕110年記念 白川静『文字講話』に学ぶ

第3回「金文について 2」を開催しました。

当初は2月21日(日)の予定でしたが、栃木県内に緊急非常事態宣言が出された影響により、2月28日(日)に延期し、28日に予定していた第4回は5月16日(日)に変更となります。会場は栃木県総合文化センター、時間は13:30から16:30です。

講座当日の様子です。

 

第3回「金文について 2」にて使用したDVD解説用のパワーポイントの一部を紹介します。

白川静 文字講話に学ぶ 金文(2)第3回 2020.2.28

特別講座「篆書について」を開催しました。

去る1月10日(日)に開催した 特別講座「篆書について」のご報告です。

この講座は、第26回栃木の書壇50人展(1月14日~19日、宇都宮東武百貨店5F)の開催にあたり、鑑賞の手引きとなるように企画した学習会です。

 

この講座で使用したパワーポイントの一部を紹介します。

特別講座「篆書について」(令3.1.10)

公開講座「生誕110年記念 白川静『文字講話』に学ぶ」の実施報告です。   

 

開催要項

生誕100年記念 白川静『文字講話』に学ぶ、干支印を彫ってみよう案内

受講された方の人数

9月27日(日) 白川静『文字講話』に学ぶ (1日目)  51名

10月11日(日) 白川静『文字講話』に学ぶ (2日目)  46名

10月17日(土) 文字講話実技編 篆刻講座「干支印を彫ってみよう」 22名

使用したDVD

白川静「文字講話」DVD完全収録版

第11巻「第二十一話 甲骨文について」・「第二十二話 金文について(Ⅰ)」

解説用パワーポイント

今回のために作成したもの 3種

配付資料

1.白川静「文字講話」に学ぶ 

   第1回甲骨文について 「白川静 続文字講話」(平凡社)

   第2回金文について  同 

2.篆刻講座「干支印を彫ってみよう」

   パワーポイントのスライドを印刷したもの

※熱心に聴講していただきありがとうございました。

 

『文字講話』のための参考資料(PowerPoint)の一部をご紹介します。

(矢印をクリックすると閲覧できます。)

文字講話解説用パワーポイント資料(一部)

 

次は2日目 『金文について』解説資料(PowerPoint)です。

白川静 文字講話に学ぶ 金文について プレゼンテーション2

 

[会場風景]

 

篆刻講座「干支印を彫ってみよう」テキスト(PowerPoint)を紹介します。

(矢印をクリックすると閲覧できます。)

令和2年篆刻講座干支印でおしゃれな年賀状作り

 

[会場風景]

[参考印稿]

l¥.pptx

 

[受講者の印稿・印影と添削](例)

仮名作品用雅印「龢」をご紹介します

今回ご紹介するのは、仮名作家の先生からご依頼をいただいた雅印です。

お名前の一字である「和」による印とのことでしたが、同声、同義に用いる「龢」によって制作しました。

「和」は軍営の門にて講和盟約をする象であるのに対し、「龢」の「禾」は禾黍であり、農耕祭祀において神へ奉納する笛による楽舞が美しく調う様を表しています。やや大きめの印面に収め、柳絮天を舞うが如く躍動する仮名表現に適うよう、「龢」の甲骨文のフォルムを採用しました。流麗な仮名美に、やや直線的で近代性を匂わせる瀟洒な表現を目指しています。公開についてご了解をいただきましたので、印影と印稿をご紹介します。

「龢」
「龢」3.5×1.7

雅印『翠龍』のご紹介

ご依頼により制作した雅印をご紹介します。印文は雅号『翠龍』です。

書体は楚簡風でとのご希望です。「翠」には金石の古い字例がありませんが、戦国期楚系の簡帛にまとまった字例がみとめられます。「翠」はみどり、カワセミの意を持つ字ですが、下部にある声符の「卒」は、本来「死卒」つまり死者の衣の意で、死者の霊が迷い出ないように衣襟を合わせ閉じる姿です。

この「卒」は楚簡では衣の上に手を添えているものがありますが、「翠」になると、その手の形が「首」、「自」、「目」などに訛変(誤って変わってしまうこと)してしまうことがわかります。さらに「衣」の部分も「辛」に近い形に大きく変化してしまいます。しかし、それでもよく見れば「衣襟」を合わせた本来の形がうっすらと浮かびます。

これらの基本を踏まえて印稿・奏刀と進みます。翠龍先生にはご承諾をいただきましたのでここに印影をご紹介いたします。ご覧ください。

翠龍(2.4 × 2.4)

第25回栃木の書壇50人展出品作

令和2年2月8日(土)~17日(月)
東武宇都宮百貨店5F特設会場
栃木県を代表する50人による新作2点、合計100点を展示。作品は頒布もされました。

 今回、私が発表した作品は次の2点。

 大作の方は「学毛公鼎銘」と題した軸装三幅。西周青銅器中最多の499字の銘文を持ち台北の故宮博物院を代表する国家重要文物の一つである毛公鼎を臨書したものです。
 小品は「干支印庚子逍遙」。近年、同印文による印稿表現力の開拓に取り組んでいますが、これもその一環のひとつ。当初、十顆制作の予定でしたが、事情があり結果としてその半分になりました。参考までに印稿を一緒に紹介します。

「学毛公鼎銘」「学毛公鼎銘」

「干支印庚子逍遙」「干支印庚子逍遙」

 

庚子五種
干支印庚子印稿十種

雅印のご注文 「芳江」かな2×6用

雅印のご注文 

今回ご紹介するのは、「芳江」です。今回のご依頼主は渡辺祥蒲先生です。

この印を使用する作品の種類とサイズは、 「かな作品」、「2×6」用です。

かな作品と調和することを考えて楕円変形印を、また、印の空間が重くならぬよう「朱文」でというご希望です。

書体は今回、奇を衒わず基本的な「小篆」にしましたが、軽妙かつ洒脱な雰囲気を醸し出すために、線の質と緊張感を高めながら、一方で、造形上2字にわずかな高低差をつけ、上下の流れに回転とうねりが加わったベクトルを内包させました。

[印稿]

最初は上の印稿で進めるつもりでした。「方」は中心に向かって絞るような回転を加えることで、逆に周囲へ放射状に光を放つベクトルを内包させました。左は古璽と中山篆です。
2.8 × 1.5

 

惣誉酒造の絶品 『還』

惣誉酒造の絶品
『還』

創業明治5年、清流鬼怒川水系を伏流井に持つ老舗酒造が、蔵人の熟練の技と魂によって、伝統の「生酛づくり」による芳醇さとエレガントさを兼ね備えた深い味わいを実現。特別限定品で珠玉の一品です。幸いにも、ラベル揮毫と印制作のご縁からその恵を堪能することができました。