蠢々凡愚區々庸鄙 (太宗 聖教序)

太宗の聖教序の中から「蠢々凡愚區々庸鄙」を選句して刻した習作。硬い印材に難儀した拙い出来ですが、印文の指す通り、これもまた我が分身。

「蠢々凡愚區々庸鄙」とは「浅はかな言動をする卑しく愚かな者、取るに足らぬ卑しい田舎者」のこと。

※「蠢々」は虫がうごめく様や乱れ騒ぐ様を指すが、ここでは愚かな行動に走る様。「蠢」に愚かの意がある。「凡愚」は卑しく愚かなこと。「区々」は小さなつまらないこと。「庸鄙」は田舎者のこと。

蠢々凡愚區々庸鄙   35㎜×35㎜
雁塔聖教序「蠢々凡愚區々庸鄙」

祖詠詩「終南望餘雪」五体書

祖詠詩「終南望餘雪」五体書(1)「終南陰嶺秀」終南(しゆうなん) 陰嶺(いんれい)秀で
盛唐の詩人で王維とは幼友達であった祖詠(そえい)の「終南望餘雪」(終南に余雪を望む)を篆隷草行楷の五体六種によって4回に分け半紙に書いた習作です。
「終南陰嶺秀 積雪浮雲端 林表明霽色 城中增暮寒」

「思離羣」3種(3)中山篆

「思離羣」3種の最後となる(3)中山篆です。先日発表した「戦国中山篆千字文考」で考察した字形をもとに表現したものです。

 

「思離羣」3種 (3)中山篆  59㎜×59㎜

「思離羣」3種(2)楚簡

今日は「思離羣」3種の2作目。楚簡を素材にした表現です。放射するベクトルを生かすため辺郭を用いず、楚簡そのもののが持つ美しさを追求したものです。もう少し線を削いで瀟洒にしても良い気がしています。

「思離羣」(2) 78㎜×29㎜